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Techフロントフォーク歪み防止カラー

フロントフォーク、ホンダはφ39のShowa製でBetaはφ38のパイオリ製ですが、他、ほとんどのメーカのフロントフォークはTech製ですね。ここではそのどっちのどれがいいうんぬん、性能差の政治的発言は控えまして、Techはここが弱点とその対策を紹介します。




前ホイルは右側のアウターチューブからスピンドルシャフトを差し込み

この底に付いている締め付けボルトで締め付けます。写真の左側はパイオリ製で2本の6ミリボルトで締め付け、右側はTech製で1本のみの6ミリボルトで締め付けています。

ようするに前ホイルを固定するために差し込んでいるスピンドルシャフトが、ゆるまないよう、抜けてこないよう、にスピンドルシャフトを囲って締め付けているわけ。

こうなると「強く締め付ける」の方がいいわけで、Tech製の1本ボルトよりも、パイオリ製の2本ボルトの方がスピンドルシャフトをより強く締め上げれます。少し重いので今は使われなくなりましたがφ40のマルゾッキ製は3本の5ミリボルトで締め上げています。

この締め上げ力が弱かったらどうなるか、ごく普通に民間人一生慣らし運転ライディングでは「1本でも2本でも、どっちでもいい」のですが、男ライディングをして岩場で転び、右側アウターチューブの下側部分を打ち付けると、ちと具合が悪いのです。

普通は、右側アウターチューブはこんな風に付いています。でもこの下側の部分を横から強く打ち付けるとこうなります。


こうならないようにボルトで締め上げているわけですが、6ミリの1本ボルトは実によくこうなります。うちの突撃隊長の陣くんなんか、飛びつきの練習をしてバイクを放り投げると、飛び出し量に差はありますが、毎度ほとんどこうなります。これはやっぱり1本ボルトでは締め付けトルクに限界があるのでしょうね。

ちなみにホンダφ39のShowa製は、同じように1本ボルトで締め上げていますが、Techの6ミリボルトに対して8ミリボルトを使うことで解決しています。6ミリボルトなら2本は絶対必要だぞ、のテスト結果です。

でもそんなん気にした事もないよ、と申されるでしょうが、Techのフロントフォークは程度の差はあれ乗っていて転ぶと必ずこうなっています。写真のように極端でなくても1ミリ程度は必ず内側にずれています。これはこの締め付け1本ボルトを緩めると「スコン」と外にアウターチューブが戻る事でわかります。

これって誰がどう考えてもフロントフォークの動きを悪くしているし、インナーチューブとアウターチューブが上下するたんびに片方だけがこすれ変摩耗しているのが理解できますよね。

さてどうしましょうかですが、ようするに外から内側に強い押す力がかかっても内側にいかないようにしたらいいわけで、単純にその隙間部分にカラーを入れるといいじゃんになり、アンダーガードの材料7075材よりももう少し強い「YH-75」というムク棒から削り出しでこんなUFOみたいなカラーを作りました。

この部分にこのように取り付けます。このUFOみたいなカラーの重さは、もう無視できるほどの重さです。うちのナンバー1ライダーも、ナンバー2も、残り2名もというか、うちの実働バイク4台全部につけて使っていますが、とてもよろしいと言うか安心ですね。

これを付けたからといって性能が上がるわけではありませんが、まあ、転んだときの保険のような部品です。

そんなん時々注意して確認、底の6ミリボルトをゆるめてフロントフォークを上下にスコスコやって元に戻したらよかとやないね、と申しますでしょうが、それは机上の理論。サンダーライダーならいざ知らず、勝負をかけた大会ではそこまで気遣いに頭が回りません。機械は設計通りにきちんと位置していると思って、この部分が内側に入っているなんで気もつかずにセクションに入ります。これが普通です。


このように加工仕上げるには、YH75の丸棒があるのは大前提、回転させて削る旋盤があるのも大前提、そしてこの穴を開けるにはフライス盤も必要ですし、8個の穴の間隔を正しく回転させながら出すサーキュラーテーブルも必要です。

腕があっても加工機械がないと何にもできませんけど、腕が多少悪くてもいい機械があれば製品はできるのです。

◎Techフロントフォーク歪み防止カラー

1) 4,000円(税別) 2) 送料250円

計4,650円(税込)

※適合車種・Techフロントフォークすべて

Techのフロントフォークをお使いの紳士淑女の皆さま、膝当て肘当てみたいな保険的部品ですが、必要ならお買い求めくださいね。

お支払いは、富山の薬売りみたいな「信用売り」ですので、部品に請求書を付けて送りますのでそれで後からお支払い下さい。

trial.kuroyama@icloud.com まで