まあ例えのお話ですが人を殴る場合に、ボクシングのジャブのように近距離からチョンチヨンと顔面に当てるよりも、大きく振りかぶって顔面ストレートで殴った方が効きますよね。でもまあ、ボクシングの場合は「大きく振りかぶってはよけられます」ので、効き目の少ないジャブでけんせいしている次第。 今回は、この部品の中身のお話です。 クラッチの切れとつながりは、以下の関係です。 1)クラッチポンプの中のピストンの動く距離が短ければ、クラッチコルク板とクラッチ鉄板の開く距離が少なくなり、ボクシングのジャブと同じで「操作は軽くなりますが、切れとつながりは悪く」なります。 2)逆にピストンの動く距離が長ければ、ボクシングのストレートと同じで、クラッチコルク板とクラッチ鉄板の開く距離が多くなり「操作は重くなりますが、切れとつながりはよく」なります。 という事で、ダイアフラムタイプでない「巻き巻きスプリング」を使っているオーソドックスなクラッチシステムのBetaは、この1回のクラッチレバーを引く事により「どのくらいクラッチピストンが移動するのか」が勝負の決め手。 閉じ込められた空間の中でのオイル移動の「パスカルの原理」ウンヌンという難しいお話はパスして、ピストンの径が大きければボクシングのジャブのように「軽いタッチですが効きが甘い」で、径が小さければ「重くなりますが強烈に効く」と思ってください。 BetaMotorのBeta-EvoであれBetaRev-3であれ、新車のスタンダードのクラッチポンプのピストンは「φ28」が新車にはついています。で、少しクラッチが重くなっても構わないので「切れとつながり」が、もう少しパンチの欲しいライダー用にオプションとして「φ27」が純正部品として販売されています。参考までに全日本ライダーは皆さん、このφ27ですね。 だから、好むと好まざるとにかかわらずBeta純正パーツのクラッチポンプは「φ28とφ27」しかありませんので、このサイズを使うしか選択の余地はありません。 黒山健一選手はBetaMotorの契約ライダー時代に、たくさんの径のクラッチポンプピストンのテストをしました。で、まあこのへんが民間人ライダーにはいいだろうとなったのが「φ28とφ27」の2種類です。 上はφ30から下はφ24まで0.5刻みの径のピストンをテストしました。結果、φ24なんてむっち
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